記事: 美テラシー講座Vol.2 化粧品開発の舞台裏。企画〜製造までを大公開
美テラシー講座Vol.2 化粧品開発の舞台裏。企画〜製造までを大公開
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スプレーゼ代表のすみしょうです。 今日は第2回目の「美テラシー講座」をお届けします。
前回お話しした通り、「美テラシー」とは美容のリテラシー(読み解く力)のこと。それを高めていく前に、そもそも化粧品ってどうやって作られるのか?というテーマです。
その裏側を知ると、メーカーへの愛着が湧いたり、応援したくなったり。逆に「ん?この会社は私には合わないかも」と冷静に見極められるようになったりします。
では、早速まいりましょう。
化粧品ができるまでのステップ
まずは企画段階。 マーケティングや企画の部署が「どんな商品にするか」コンセプトを固めます。
「シミに効く美容液にしよう」「ニキビケアに特化しよう」といった具合ですね。 ここで大きく道が分かれるのが、「大手メーカー」か「中小メーカー」か。
資生堂さん、花王さん、ポーラさんなどの大手は、基礎体力が違います。 巨大な研究所を持っているので、医薬部外品の新しい有効成分そのものをゼロから開発したりできるんです。
ゼロから新規成分を作るのは、膨大なコストと許認可が必要になるので、現実的にはかなりハードルが高いんですよね。さらに人脈も大切と聞きます・・・。
一方で、私たちのような中小メーカーはどう戦うか。原料メーカーさんが開発した良い成分を組み合わせたり、高配合したり、ニッチなニーズに応えるブランドにしたり。これは本当に色んなブランドさんがあります。中身にお金をかけるブランド、マーケティングにお金をかけるブランドなど。
私たちスプレーゼでは、エビデンスのある良質な成分を高配合するのを基本にしており、新規原料をいち早く検討していき、良い成分があれば積極的に採用していきます。
実際にビーカーを振る「処方開発」
コンセプトが決まったら、いよいよ「処方開発」です。 これは私が会社員時代に担当していた工程で、まさに実験室でビーカーを振る仕事。
「今回はこっくりしたクリームにしよう」 「さっぱりした乳液にしよう」
そんなことを考えながら、天秤で原料を量っていきます。
水、油、界面活性剤など、いろんな原料を混ぜ合わせるんですが、500mLくらいのビーカーで試作品を作り、使用感やテクスチャーをひたすら調整していく作業です。
安全性と品質を守るテスト
「これでいきましょう」と大枠の処方が決まったら、 大切なテストが待っています。
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安全性試験:肌に刺激が出ないか確認(パッチテスト、スティンギングテストなど)
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安定性試験:長期間置いても変臭・分離・変色したりしないか
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抗菌力試験:防腐剤が効いて、菌が繁殖しないか
特に化粧品は栄養の塊なので、防腐剤のバランスが重要。 菌を防ぎつつ、肌への刺激にならないギリギリのラインを見極めるんです。
ちなみに、使用期限が書いていない化粧品は、未開封なら「製造から3年間」以上は品質が保たれるルールになっています。
当社では、さらにモニター試験ということで、消費者の皆様に発売前のサンプルを数週間〜1ヶ月など使っていただき、肌測定をしたり、アンケートをいただき、さらに改良したりすることもあります。
なお、日焼け止めは、SPFやPAのヒト試験があるので、さらに数十万円かかります。
工場での実製造〜みなさんの手元へ

テストをクリアしたら、いよいよ工場の大きな釜で本生産です。 この処方の中身そのもののことを、業界用語で「バルク」と呼びます。
私がいた工場では、化粧水なら1回で最大20トン、クリームなら1トンくらい作れる釜がありました。
クリーム1トンは、ドラム缶でいうと5本分くらいが一気に出来上がる計算です。
出来上がったバルクは、化粧品ボトルに詰められ、ラベルを貼られ、箱詰めされて出荷されます。 私がいたところでは、同じ商品を1日5000〜1万本くらい作ってましたね。
こうして店頭あるいは倉庫に届けられ、それを店頭やインターネットで購入していただくようになります。
実は「作っている会社」が違う?(OEMの話)
ここでひとつ、化粧品業界の重要な仕組みをお話しします。
大手メーカーは自社工場で作ることも多いですが、多くの中小メーカーは工場を持っていません。 ではどこで作るのか? 実は「OEM会社」という処方開発と製造専門のプロに委託しているんです。
私が勤めていたのも、このOEM会社でした。 いろんなブランドさんから依頼を受けて、私たちが中身を開発し、試作品を提出する。色んなメーカーさんのニーズに応えていくので、職人技を持った研究開発の人もたくさんいます。
「もっと保湿力を上げて」「香りを変えて」なんてやり取りを繰り返して、完成を目指します。
次回予告と宿題
今日覚えて帰ってほしいのは、「販売している会社と、作っている会社は違うことがある」という事実。
今はOEMの普及で、異業種や個人でも簡単に化粧品を作れる時代になりました。 だからこそ、「誰がどうやって作ったのか」を知る目が大切になってくるんです。
じゃあ、今使っている化粧品が「自社製造」なのか「OEM」なのか。 それを見分ける方法、気になりますよね?
実は、パッケージを見るだけで分かっちゃうんです。 次回はその「見極め方」を解説します。
お手持ちの化粧品の箱や容器の裏面を、チラッと見てみてください。 そこに「製造販売元」という項目があります。
ぜひチェックしてみてくださいね。
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【編集後記】
私は普段メガネなんですが、最近は「金子眼鏡」を愛用しています。 フレームだけで3万円くらいするんですが、軽くてフィット感が最高なんです。
良いものはメンテナンスすれば長く使えるんですよね。 ツルが曲がっても無料で直してくれますし。
「良いものを長く大切に使う」。 こういうスタイル、今後も大事にしていきたいなと思っています。
それでは、また次の講座でお会いしましょう。さいなら!












