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記事: 次世代のレチノール類自成分「ALGAKTIV® RetinART(アルガクティブ・レチナート)の効果

研究開発裏話

次世代のレチノール類自成分「ALGAKTIV® RetinART(アルガクティブ・レチナート)の効果

今回は、私どもがいろんなエビデンスやメカニズムを調査し、効果と安全性において、とても優れている原料をご紹介します。

それが、スペインのメーカー「ALGAKTIV(アルガクティブ)社」が開発した、レチノール代替の新しい原料「ALGAKTIV® RetinART(アルガクティブ・レチナート)」です。

一言で言うと、大注目の次世代型バイオレチノイド。レチノールのような効果と、レチノール以上の安全性を持つカプセル原料です。

今回は本原料のディーラーであるGSIクレオスさんのYouTube動画や、メーカーであるALGAKTIV社の公開情報、レチノイドの学術文献もとにご紹介します。

レチノールと同等の効果を持ちながら、さらに高い安全性を持つ成分として、他に類を見ないユニークな特徴を持っています。


レチノールの課題

レチノールは古くから使われており、エイジングケアの王道成分です。日本では、肌荒れ防止の有効成分としても使われています。

しかし、レチノールについて従来から懸念されているのが「刺激性」「安定性」の問題です。

配合してもA反応と呼ばれる皮膚反応が起こる場合があり、コントロールが難しい。また、光や酸素で分解しやすく、安定性の確保がとても難しい成分でした。

そこでアルガクティブ社は、「マイクロアルゲ(微細藻類)由来で、レチノール様作用を持ち、かつ安全性の高い原料を開発する」というミッションを掲げ、このRetinARTを開発しました。

サステナブルな製造工程

フォルメンテラ島の風景

画像引用元:フォルメンテラ島公式観光サイト (Formentera.es)

RetinARTは、スペインの南部、地中海に浮かぶ沖縄のように美しい「フォルメンテラ島」で見つけられた微細藻類から生まれました。製造メーカーであるアルガクティブ社には、大きく2つの特徴があります。

  1. 微細藻類(マイクロアルゲ)由来の原料のみを取り扱っていること。
  2. その藻類を自社で「培養」して原料化していること。

海藻や植物の場合、通常は1つのリソースから1つの原料を抽出します。しかし、同社は「フォトバイオリアクター」と呼ばれる培養施設を用い、採取したごく小さな藻を100倍、200倍へと増やしてから原料を作成します。そのため、植物の抽出工程と比べて、圧倒的な供給安定性を確保しています。

また、このフォトバイオリアクターは、光と水と二酸化炭素のみで培養されます。環境に対して廃棄物を一切生み出さないエコなプロセスで生成されているため、地球環境に優しく、SDGsやサステナビリティに大きく貢献しています。

レチノイドの歴史と、昨今のニーズ

ビタミンA(レチノイド)は第1世代から第4世代まで分類されます。初期のレチノールから始まり、乾癬治療やニキビ治療に高い効果を発揮するトレチノイン、アダパレン、トリファロテンなどのレチノイド類が存在します。

  1. レチノール、トレチノイン、イソトレチノインなど
  2. アシトレチン
  3. アダパレン
  4. トリファロテン

化粧品に主に使われるのは、レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールがほとんどですね。

2〜3年前から、副作用リスクの少ないレチノール代替として「バクチオール」が登場し、広く使われるようになりました。

そしてさらに、私が注目した本原料「RetinART」は、レチノールと同等以上の効果を持ちながら副作用のリスクが少なく、しかも「その副作用が起きないメカニズム」が明確に明らかになっていることに惹かれました。

これはなかなかすごいです。

副作用がない理由:受容体への「選択的結合」メカニズム

レチノールが少量で高い効果を発揮するメカニズムに着目してみましょう。
レチノイン酸などのレチノイド代謝物質は、表皮から真皮に存在する「レチノイン酸受容体(RAR)」にくっつくことで、レチノール様作用を発揮します。この受容体には、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)の3つが存在します。

従来のレチノールは、表皮にある「RARα」と「RARγ」の2つの受容体にくっつきます。これにより作用を発揮する反面、刺激が起き、赤みが出たり、皮向けするなど、いわゆる「A反応(レチノール刺激)」が誘発されてしまいます。

一方、真皮に存在している「RARβ」という受容体に関しては、副作用のリスクがありません。

アルガクティブ社はここに着目しました。RetinARTは、表皮のRARαとγには一切くっつかず、真皮のRARβのみに「選択的」に結合します。これにより、副作用のリスクをなくしつつ、レチノール様作用を発揮することが可能になっています。

化学式を見比べると、ベータカロテンから抽出されるレチノイン酸の構造と、クロレラのキサントフィルから抽出される「アポカロテノイド(RetinARTに含まれる有機化合物)」の構造はほぼ似ています。この類似構造を持つことが、効果の裏付けとなっています。

特許技術「マリンポリマー」による驚異的な浸透力

イメージ画像:Geminiで作成

有効性データを見ると、配合量が増えるにつれて表皮のRARαとγの活性化は一定のままですが、真皮のRARβの活性化率だけが上昇していることが確認できます。では、なぜ成分が真皮のRARβまで深く到達できるのでしょうか。

その秘密は、デリバリーシステムにあります。RetinARTは、アポカロテノイドを含む有効成分を、「マリンポリマー」と呼ばれるリポソームのような球状のカプセルで包んでいます

このメーカー特許取得済みのマリンポリマーを結合させることで、真皮への浸透力と高い安定性を実現しています。

そして、皮膚モデルを用いた浸透性データでは、驚くべき結果が出ています。

  • デリバリーシステムなし:真皮への浸透は約4%
  • 通常のリポソーム:真皮への浸透は約30%
  • マリンポリマー(本原料):真皮への浸透は約65%

通常のリポソームの2倍以上、実に65%もの有効成分が真皮に到達しており、表皮と真皮での有効成分のパーセンテージが完全に逆転しています。

肌への有効性データ(レチノール・バクチオールとの比較)

では肌への効果はどうなってるのか?ALGAKTIV社がホームページで公開しているデータをご紹介します。

RetinART 有効性データ

画像引用:ALGAKTIV RetinART 公式サイト
(※データ画像は、公式サイトの英語資料を引用し、当ブログにて日本語訳・加工したものです)

こちらは、「0.3%レチノール」単独処方と、「2% RetinART」配合処方を比較したものです。(40歳以上のボランティア30名、56日間の試験結果)

結果として、0.3%レチノールよりも、RetinARTの方がシワの深さや弾力性の改善効果が高いという結果になっています。

シワだけでなく、

  • シミ(色素沈着)
  • 肌のトーン
  • 小じわ
  • ハリ・弾力
  • 毛穴サイズ

においても、レチノール単独処方と同等、あるいは上回る効果が出ています。

レチノールとのシナジー(相乗)効果

他にも、「0.5%レチノール単独処方」と、「0.1%レチノール + 1% RetinART」のシナジー処方を比較した結果もありました。

レチノールの配合割合を大幅に減らしたにもかかわらず、組み合わせた処方の方が、1ヶ月レベルでシワの深さやハリ・弾力が改善、シミも薄く、さらには、赤みや炎症を抑えられていました。

推奨配合量は1〜2%。原料の価格はめちゃくちゃ高いですが、、、。でも、製品に採用する時は、推奨配合量は絶対に入れたいなと思います。

なお、本原料の表示名称は「クロレラエキス、プロパンジオール、レシチン、乳酸」の4つで構成されていますので、そのシンプルさもかなり魅力的です。

しかし、防腐系はどうなっているのか?普通は防腐剤が入っているのですが、プロパンジオールだけで防腐しているのか?そこは少し謎ですね。

次世代のバイオレチノイド、いかがでしたでしょうか。

このような新規原料は動物実験が行われないため、日本の医薬部外品に配合することは不可となりますが、今後、この成分が配合された製品がたくさん出てくるのではないでしょうか。これから本当に楽しみです。

【参考資料・引用元】