記事: クリームシャンプーのデメリットは?開発者が洗浄力と向き・不向きを正直に解説
クリームシャンプーのデメリットは?開発者が洗浄力と向き・不向きを正直に解説
「クリームシャンプーって泡立たないけど、本当に洗えているの?」
「しっとりするのはいいけれど、頭皮がベタつかない?」
クリームシャンプーが気になっていても、このあたりが不安で、なかなか試せない方もいると思います。
私はクリームシャンプーを開発していますが、やはりデメリットもあります。特に気になるのは洗浄力です。
皮脂が多い方や、ハードな整髪料を使う方には、物足りない可能性があります。
一方、頭皮が乾燥しやすく、穏やかな洗い上がりを求める方には、その設計が合うこともあります。
今回は、開発者としてデメリットと感じている点を、正直にまとめます。
執筆:すみしょう(住田 祥)
化粧品研究者。修士(工学)。化粧品OEMで研究開発に7年間従事。スプレーゼの開発責任者。本記事では、自社製品の開発経験と試験、公開された研究をもとに解説します。
- 皮脂量や整髪料によっては、洗浄力が物足りない。
- 泡がないので、洗えた実感を得にくい場合がある。
- 頭皮へのなじませ方に慣れが必要。
クリームシャンプーとは?
クリームシャンプーは製品ごとに処方が異なりますが、私のスプレーゼでの開発経験をもとにお話しします。
まず、クリームシャンプーは、カチオンなどの4級界面活性剤のトリートメントをベースとし、そこに頭皮洗浄力を付与した製剤です。
一般的なシャンプーは、アニオン界面活性剤、や両生界面活性剤をメインとしており、泡立ちや洗浄力が高いです。
なので、全体の処方が異なります。
クリームシャンプーのデメリットは洗浄力が弱い
さて、クリームシャンプーの開発の経験からお話しします。
クリームシャンプーは、洗浄成分が少なく、弱いです。
なので、皮脂が多い方には洗浄力や、洗った感じが、物足りないことがあります。
また、ヘアバームやワックスをしっかり使う方にも洗浄力が足りないと感じられる可能性があります。
ただ、「マイルド」というと、お湯で流すのとあまり変わらないのでは?と思われるかもしれません。それも違います。
当社では人工皮脂を使い、お湯だけの場合と、クリームシャンプーを使った場合の汚れ落ちを比較しています。
ここで見てほしいのは、液体の皮脂と、固形のワックスでは、落としやすさが違うことです。
当社の試験では、液体の人工皮脂を落とせることを確認しています。一方、固形の汚れでは、泡立つシャンプーに比べて落としにくい場合があります。
なので、クリームシャンプーは頭皮が頭皮の皮脂汚れが少ない方には使いやすいですが、皮脂が多い方は合わない可能性もあります。
整髪料を多く使う日まで、無理に1本で済ませようとしなくていいと思います。
泡立たないから洗った感じがしない
泡が立つと、洗っている感じがしますよね。クリームシャンプーでは、その手がかりがありません。
汚れが落ちていたとしても、「なんとなく洗えていない気がする」ということはあると思います。
しかし泡がなくても洗浄力はゼロではありません。クリームクレンジングやふきとりクレンジングなど、泡立たなくても洗浄力がある製品もたくさんあります。
当社のクリームシャンプーには、クレンジングウォーターなどのメイク落としに使われる非イオン性界面活性剤などの洗浄成分を配合しています。
なので泡立たなくても、しばらく使ってみて頭皮に不快感がないか?で判断してみるのが良いと思います。
使い方に慣れがいる
クリームシャンプーは、泡立たないので、クリームを頭皮全体に行き渡らせる必要があります。
頭皮マッサージする感覚で馴染ませます。その使い方に慣れない間もあると思います。
当社品では、まずお湯で予洗いし、毛先と頭皮にそれぞれなじませ、指の腹で頭皮マッサージするように洗う使い方を案内しています。
量もたくさん使った方が頭皮はよく洗えます。ベタつく方は量を増やして、すすぎをしっかりしてみてください。
また、スカルプブラシやヘアブラシを使うとより頭皮がさらに気持ちよく洗えます。
また、髪の毛1本1本にクリームが行き渡り、仕上がりが良くなるという声も聞きますので、併用するのもおすすめです。
より詳しくは、
排水口が詰まりやすくなる?
お客様から「クリームシャンプーに変えてから、排水口が詰まりやすくなった」という声をいただいたことがありました。
私の家では、特にそう感じてはいません。ただ、毎日排水口を掃除して変化を比較しているわけでもないので、気づいていないだけかもしれません。
もしかすると、クリームが塊のまま流れることが関係するのでは、と私は考えています。
なので、クリームを髪と頭皮に均一になじませ、十分にすすぐことをおすすめします。
使用感の声だけでなく、こうした使う場所での気づきも、開発側として受け止めたいと思っています。
向いている人・向いてない人
ここまでを踏まえ、当社のクリームシャンプーの向き・不向きを、開発者として整理するとこうなります。
| 合う可能性がある方 | 物足りなさを感じる可能性がある方 |
|---|---|
| 頭皮が乾燥しやすく、穏やかに洗いたい | 皮脂が多く、頭皮がベタつきやすい |
| 複数のヘアケア工程をまとめたい | ハードな整髪料を多用している |
| 指の腹で頭皮を丁寧に洗う方法を取り入れたい | 豊かな泡立ちや、強い洗浄感を重視する |
いつものシャンプーと、処方の構成を変える選択肢
当社品では、洗浄に非イオン性界面活性剤などを使い、毛髪のコンディショニングには3級アミンのステアラミドプロピルジメチルアミンを使っています。洗浄と、髪を整える成分の役割は分けて考えます。
今使っている製品と配合成分の構成が異なるため、相性が変わる可能性はあります。
低刺激を保証できるわけではないですが、泡立つシャンプーとは全く違う処方なので、合う可能性もあります。
泡がないからこそ、頭皮を意識するようになった
お客様から、「泡立たないからこそ、頭皮を丁寧に洗うようになった」という声もいただきます。泡の有無が、洗う行動を変える。これは面白いところだと思います。
頭皮マッサージについては、特定の約3分間の手技で、頭皮血流の一時的な増加を報告した研究があります。
ただし、これは当社のクリームシャンプーを使った試験ではありません。普段のシャンプー中の動作で同じ変化が起こるか、発毛や頭皮トラブルの改善につながるかまでは、この研究から判断できません。
クリームシャンプーのマッサージで、頭皮ケアに意識を向けるきっかけとして取り入れてもらえればと思います。
まとめ
クリームシャンプーは、洗浄力が物足りない可能性、使い方に慣れが必要な面もあります。
一方で、強い洗浄感を求めていない人にとっては、穏やかな洗い上がりが選ぶ理由になります。
泡がなくても気にならない方には、複数の工程をまとめられることが便利です。
1ヶ月ほど使うと髪の毛の手触りも良くなるし、工程が1つですむので、楽というお声はかなり頂きます。
もし気になった方は、スプレーゼのオールインワン クリームシャンプーの商品ページも見てみてください。
参考資料
- スプレーゼ クリームシャンプーLP、商品ページ。自社試験写真、全成分、使用方法・FAQ。
-
地肌マッサージの頭皮への作用。日本化粧品技術者会誌、48巻2号、97–103頁(2014)。DOI: 10.5107/sccj.48.97。
