記事: ダブル洗顔とは?メーカーが推奨し続ける本当の理由

ダブル洗顔とは?メーカーが推奨し続ける本当の理由
「ダブル洗顔って本当に必要なの?」
化粧品開発者として10年以上この業界にいる私の答えは、「多くの人には必要ない」です。でもこれを言うと、業界からは嫌がられます。
その理由も含めて、正直に話します。
ダブル洗顔とは?基本をおさらい
ダブル洗顔(W洗顔)とは、クレンジングでメイクを落とした後に、さらに洗顔フォームや洗顔石けん(多くは弱アルカリ性)で洗う2段階のケアのことです。
この習慣が生まれた背景には、昔のクレンジング技術の限界があります。かつてのクレンジングは油性のメイク汚れを浮かすところまではできたのですが、すすぎきれずに油分が肌に残りベタつくものが多かった。
だから「クレンジング後にもう一度洗顔フォームで洗う」という2ステップが生まれました。それが「スキンケアの常識」として定着し、技術が大きく進化した今も、多くのブランドがダブル洗顔を推奨し続けています。
美容部員さんにそう言われたから、雑誌にそう書いてあったから。そういう理由で信じている方が多いと思いますが、その「常識」の出どころは昔の処方の話なんです。
ここで、よく言われる2つの俗説を整理しておきます。
俗説①「クレンジングは油性汚れ専用、水性の汗やほこりは洗顔料じゃないと落ちない」
これは正確ではありません。クレンジングオイルも最後は水ですすぐので、汗やほこりはその時点で一緒に流れます。
俗説②「皮脂を落とすには洗顔料が必要」
皮脂(あるいは皮脂が酸化してできる過酸化脂質)を落とすことが皮膚の健康に重要なのは事実です。ただ、皮脂は油なのでクレンジングオイルで落とせます。洗顔料でなければ落ちない理由はありません。
ダブル洗顔のメリットとデメリット
「ダブル洗顔は不要」と言い続けている私ですが、メリットがゼロだとは思っていません。正直に両方を整理しておきます。
メリット
- 毛穴の詰まりに効果的:最近の洗顔料には毛穴汚れに特化した成分(トロメタミンなど)を配合したものがあります。タンパク質由来の角栓への洗浄力はクレンジングオイル単体では代替しにくいメリットです。
- 朝の洗顔として合理的:睡眠中に分泌された皮脂を落とすには、朝の洗顔フォームが有効です。夜と違ってクレンジングを使わない朝こそ、洗顔料の出番があります。
デメリット
- 必要な皮脂まで落としすぎる:肌のバリアを支えるセラミドや天然保湿因子(NMF)が流れ、乾燥・つっぱりの原因になりえます。
- 摩擦が2倍になる:洗う回数が増えるほど、肌を触ったり擦ったりする物理的なダメージが蓄積します。特にゴシゴシ洗いの癖がある方は要注意です。
- 時間・コストがかかる:2アイテム必要になるため、費用もかさみます。(これが業界的にはメリットなのですが、使う側にはデメリットです)
ダブル洗顔が必要な人・不要な人
「自分はどうすればいいのか」
これが一番知りたいことですよね。開発者目線でまとめます。
ダブル洗顔をした方がいい人
- 毛穴の黒ずみ・角栓が気になる人:トロメタミンなどを含む洗顔料を組み合わせることで、角栓への効果が期待できます。
- 使っている商品にダブル洗顔を推奨している場合:その製品の処方に合った使い方ですので、ブランドの指示に従ってください。
ダブル洗顔をしなくていい人
- 乾燥肌・敏感肌の人:バリア機能がもともと弱い肌に2回の洗浄は過負荷になりやすいです。洗顔後に肌がつっぱる方は、まずダブル洗顔を見直してみてください。
- 毎日洗顔後に乾燥やかゆみを感じる人:これは洗いすぎのサインです。思い切ってダブル洗顔をやめてみましょう。
肌が弱い、敏感、乾燥の方はダブル洗顔をやめると肌状態が改善する可能性があることも覚えておいてください。
業界の不都合な事実?なぜメーカーはダブル洗顔を推奨するのか
以前、大手化粧品メーカーの研究開発部門のトップの人物から、こんな話を聞きました。
「ダブル洗顔が不要だということは知っています。でも、推奨をやめるとクレンジングと洗顔フォームで2アイテム売れている商品ラインが、1アイテムになってしまう。だからブランドによってはそういう戦略になる」
私はこの話を聞いたとき、正直驚きました。言っちゃうんだと。オフレコですが、印象に残ってます。
もちろん毛穴汚れを除去するなどの面で、ダブル洗顔をする方がメリットがある場合もあります。
「なぜこのスキンケアが必要なのか」「私にとってこれは必要な工程なのか」を問い直すことが、自分にとって正しいスキンケアの第一歩です。
それでもダブル洗顔をするなら、これだけは守ってほしい
ダブル洗顔は基本的に不要派の私ですが、「ぬるぬるが気になるのでやっぱりしたい」という方のために、肌への負担を最小限にする方法をお伝えします。
① 弱酸性の泡洗顔で、優しく素早く
ポンプフォーマータイプのものが便利です。泡で出てくるので薄い界面活性剤でさっと洗えます。洗顔フォームでもきちんと泡立てれば問題ありませんが、弱アルカリ性のものが多いので、優しさ重視なら弱酸性系を選ぶのがおすすめです。
② すすぎはぬるま湯で
熱いお湯はうるおいを落としてしまいます。「少し冷たいかな」と感じるくらいのぬるま湯が適温です。髪の生え際やフェイスラインは洗い残しがたまりやすいので、丁寧に流しましょう。
③ 泡をすべらせるだけ、こすらない
泡を肌の上でくるくると転がすイメージで、指が肌に直接触れないように洗います。ゴシゴシは厳禁です。
実験で確かめたダブル洗顔の肌への影響
実際にダブル洗顔をやめると肌状態が良くなるのか気になりますよね。そこで、当社では開発したサンプルを用いてモニター18名(各群9名)に1ヶ月間の試験を実施しました。
ダブル洗顔ありとなしで、肌状態がどう変わるか?という実験です。
- Aグループ:ダブル洗顔(9名):朝は炭酸ミルク洗顔(界面活性剤の少ない優しい泡洗顔)、夜はクレンジングオイル+炭酸ミルク洗顔のダブル洗顔
- Bグループ:ダブル洗顔なし(9名):朝はぬるま湯洗顔のみ、夜はクレンジングオイルのみ
測定には、アンケートや、毛穴や赤みを可視化する測定機器「VISIA」と肌のキメを数値化する「VISIOSCAN」、さらに角質水分量・経皮水分蒸散量の測定機器を使用しました。
結果:赤み(炎症指標)が有意に改善
バリア機能の指標(角質水分量・TEWL)は両群とも有意な変化が見られませんでした。つまり、ダブル洗顔をやめても「バリア機能が悪化した」とは言えない結果でもありました。
VISIAで測定した赤みスコアは、クレンジングオイルのみのBグループで約20%減少しました(p=0.020)。統計的に有意な改善です。ダブル洗顔をしたAグループの改善は約8%にとどまり、統計的に有意ではありませんでした(p=0.381)。
さらに、クレンジングのみのBグループのモニターにアンケートを実施したところ、乾燥の改善を実感されていました。
洗浄回数を減らすことで赤みスコアが改善。とはいえ、今回は私どもの肌に優しいを目的とした開発サンプルなので、これをもって一般化はできないのですが・・・。
クレンジングオイルが汚れを落とせる理由——乳化のしくみ
「クレンジングオイルだけで本当に汚れが落ちるの?」という疑問はもっともです。仕組みを簡単に説明します。
クレンジングオイルにはオイルと界面活性剤が配合されています。オイルがまずメイク汚れや皮脂汚れを溶かします。
そして、すすぎの際に界面活性剤が、オイル(メイク汚れ+皮脂)を水の中に細かく分散させます。これが「乳化」の仕組みです。
このとき水を加えると、水溶性の汗や角質も一緒に流れるので、後から洗顔フォームを使う必要がないんです。
少量の水で予備乳化する必要はあるのか?
SNSや美容賢者の動画で「クレンジングオイルは、すすぐ前に少量の水で予備乳化させる」という工程を見たことがある方もいると思います。
手間でなければしたらいいと思います。その方がオイルと水が乳化しやすいので、さっぱり洗い流せます。
しかし、最近の処方では、そのような工程は必要ないと思います。すすぎの際にハンドプレスで水とオイルを軽くなじませれば乳化できます。
サラリーマン時代からいろんな製品に携わってまいりましたが、製品の使い方として「少量の水で予備乳化してください」と記載したことは一度もありませんでした。
ではなぜこの工程が広まったのか。おそらく原因は人気クレンジングの使い方です。そのクレンジングはすすぎ時の乳化粒子が大きく、油分が肌に再付着しやすい。その結果、丁寧に予備乳化しないとぬるつきが残ってしまう——そういった製品が人気だった結果、「予備乳化が必要」という認識が広まったと考えられます。
判断基準はシンプルで、しっかりすすいでも嫌なぬるつきが残るなら予備乳化を試す価値あり。残らないなら不要。
正しいすすぎ方——「キュッキュ感」を目安にしないで
ダブル洗顔不要のクレンジングオイルを使っていると、「何回すすげばいいですか?」とよく聞かれます。
当社のバリアグロウクレンジングオイルでは、目安は10回以上、または洗い流した液体が白くなくなるまでです。乳化した白い液体が透明になるまですすぐイメージです。
ここで「それだとさっぱりしない」と感じる方がいます。石けん系の洗顔に慣れている方は、あのキュッキュッとした感触を「落ちたサイン」と思っているからです。
でもそれは違います。
キュッキュ感の正体は、洗顔フォームの石けん成分(ラウリン酸Kなど)と水道水中のカルシウム・マグネシウムが反応してできる金属石鹸です。成分と水道水の化学反応が生み出す一時的な感触であって、肌が清潔になったサインではありません。
試しに石鹸洗顔するときに、精製水(ミネラルを除去した水)ですすぐと、キュッキュ感はほぼなくなります。キュッキュッとしないのが、あなた本来の肌の感触です。
「泡洗顔をするとさっぱりするからやめられない」という声も多いです。「その感触が好き」という方は続けてOK。ただ何をしても乾燥する気がするならば、洗いすぎている場合があるので、ダブル洗顔はやめてみてはいかがでしょうか。
ダブル洗顔不要のクレンジングは乳化粒子の細かさにこだわっています
乳化のしやすさは界面活性剤の絶妙なバランス(HLB)で決まります。基本的には粒子が細かい方が肌に付着せず、さっぱりと洗い上げられます。
当社では1μm(マイクロメートル)の細かさにコントロールしています。
1μm前後まで細かくなると、牛乳のような真っ白な見た目になります。すすいだ時に白さが見やすいので、どこまで流したらいいかわかりやすいというメリットもあります。それより大きいと白さがなくグレーがかった見た目になり、肌への油分の再付着も起きやすくぬるつきやすいです。一方、ナノレベルまで細かい処方もありますが、その場合は逆に透明っぽくなります。
上の動画のように、スプレーゼ バリアグロウ クレンジングオイルは水に触れると瞬時に乳化します。ただ、シャワーで軽く流すだけだとオイルと水がよく混ざらないので、すすぎ時はハンドプレスなどでなじませてやるのがおすすめです。
美容リテラシーを高めるために
「ダブル洗顔は必要」という常識は、メーカーの都合と古い技術基準から生まれたものです。情報を疑う力は、私が「美容リテラシー(美テラシー)」と呼んでいる考え方です。
もちろん、今の洗い方で肌の調子が良いならそのまま続けてOK。
ただ、乾燥やつっぱりが気になるなら、ダブル洗顔をやめてみることをおすすめします。
スプレーゼ バリアグロウ クレンジングオイルの特徴

当社が自信を持っておすすめするスプレーゼ バリアグロウ クレンジングオイル。ウォータープルーフマスカラなどのポイントメイクもしっかり落ちる洗浄力、なおかつ肌にやさしく設計されています。
- ダブル洗顔不要:1μm前後の細かい乳化粒子で、オイル残りなくさっぱり洗い流せる
- 高い洗浄力:メイクも日焼け止めも角栓もすっきりオフ
- 肌バリアを守る処方:界面活性剤をできるだけ抑えた肌に優しい設計
- サラッとした使用感:オイル特有のベタつきが少なく、水のようにサラサラ
スプレーゼの中でもロングセラー人気のスプレーゼ バリアグロウ クレンジングオイル。
気になった方は、ぜひお試しください。

